ポルコ「まーぁ暑い!この酷暑の中、オリ・パラ2020の警戒にあたる警察の方々も大変やろなぁ。」
ドナルド「そやなぁー。警察の皆さん見てると、鉄社会を守ってくれてるクロムの不動体膜※1が頭に浮かんで、なんや涙出てくるわぁ。」
※1 ステンレス鋼は鉄とクロムの合金で、その方面にクロム酸化皮膜を形成するため錆びにくい性質を持っている。
ポルコ「いやいやいや、そりゃ話の展開が強引過ぎへんか?」
ドナルド「鉄社会は常に腐食(サビ)と戦こうてる。クロム警察はんも反社勢力には手ぇ焼いてはりますでぇ。」
ポルコ「無視かいっ! で、その反社勢力て何やねん?」
ドナルド「その代表格は、関西塩組孔食会※2やろな。サビに強いと言われるステンレスの不動体膜警備の弱いところ突いてきよる。」
※2 適当な事書いてますけど、サビに強いステンレスでも海水や漬物などの塩化物は苦手。塩化物イオンにより孔食とよばれるプツプツ孔状の腐食が発生しやすくなる。
ポルコ「関西ゆーとこ要らん気がする。ともあれ、エッチなサービスやったらナンボでもつぎ込むヤツおるからなぁ。」
ドナルド「好色と勘違いしてへんか? 孔食は塩が原因でおこるステンレスのブツブツニキビみたいな腐食や。よう覚えといてな。」
ドナルド「まず手始めに外側で鉄を守るクロム酸化被膜を狙うんや。」
ポルコ「何ゆーてんねん。外側はサビに強い屈強なクロム警察はんやないか。」
ドナルド「警察官ゆうたって結局は家庭生活が支えなんや。ところが何処にでも問題※3を抱えた家族はある。そこに目ぇつけるんや。」
ポルコ「“サビ難さと愛の原点”であるクロム+酸素の絆に付入れるんかぁ?」
ドナルド「塩(Cl-:塩化物イオン)が言葉巧みに酸素を誘い出し、酸化皮膜のほころびを広げるんや。」
ポルコ「げっ!サイテーやな塩化物イオン!」
※3不動体化膜の傷や不純物の遺留などで金属表面のコーティングに不備なところに塩素が働き、酸化被膜の酸素を塩素に置き換え弱体化させる。
ドナルド「それだけやあれへんで。強固な障壁が片付いたら鉄社会に浸透や。鉄たちの絆を断切り鉄イオン(Fe+)として遊離させ半グレ集団化させる。そうやって空いた孔が恰好の溜まり場になるんや。」
ポルコ「アンタら闇社会に行ったら返ってこれへんようになるでぇ!」
ドナルド「その通りや。半グレ鉄イオンたちは鉄ん中に高濃度の闇世界を作り、そこを拠点に悪が悪を呼び周囲を侵食※4しよるんや。」
※4 孔食部では、塩化物イオン濃度が増加し酸性化し活性溶解(金属原子が電子の放出によりイオン化し溶解する)が起こり孔食は加速する。
ポルコ「ゴッサムシティーかぁっ!? で、どないなるんや?」
ドナルド「ここまで来たら、クロム警察ですら手が付けられへん。ついには深い闇の孔となって貫通する場合もあるんや。」
ポルコ「開通したら闇に光が射すなぁ・・・て言うてる場合か!配管には致命傷やないかっ!!対策は無いんかい!」
ドナルド「塩との戦いはステンレスが置かれる環境によっては避けて通れん。その時は応援を要請するしかない!」
ポルコ「応援ってなんや? チアガールか?」
ドナルド「塩化物による孔食を抑えるには、もっとクロムを増やす!もっとモリブデンを増やす※5という対策が有効やろ。」
※5 耐孔食指数(PRE):クロムやモリブデンの成分量(%)を以下の式で求め、耐孔食の目安とする指数。(式)PRE= [Cr(%)]+[3.3 x Mo(%)] + [16 x N(%)] たとえば、SUS304というステンレスはPRE=18だが、海水機器や塩害地でもちいられるSUS312LステンレスはPRE=41.36の値を持つ。一般的にPRE>40なら海水中でも強いステンレスと言われている
ポルコ「それに、日章アステックの表面処理やったら、不動体膜のスキの少なさにも定評があるでぇ」
ドナルド「たまぁにエエこと言うなぁ。さらに日章アステックには表面状態を整え不動体膜を強化するハイグレードな表面処理※6もあるしなぁ。」
ポルコ「日章アステックと一緒に、よりクリーンな鉄社会を作っていこなー。」
ドナルド「もーエエわ! ん、ちゃうちゃう。それエエわ!」
※6 電解研磨(EP)後に熱処理やエッチング処理を施したハイグレードな表面処理GEP(ゴールドEP)、GEP-W(ゴールドEPホワイト)。GEPはクロム酸化層+鉄酸化皮膜の保護層が電解研磨単体に比べ約10倍、GEP-Wはクロム酸化皮膜のみだが約3倍の厚みを持つクロム酸化皮膜を持ち金属溶出などに高い性能を示す。